演劇女子部 ミュージカル「LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-」@池袋サンシャイン劇場


池袋サンシャイン劇場なう。
リリウム。



20時56分
舞台終了〜!


凄すぎ!


レベル高けえ!





まだ初日でこれから公演も続くので、
あまりネタバレ的なことは書きたくありません。
しかし、感想を書くにあたり、
どうしてもストーリーに触れないわけにはいきませんので、
核心のネタバレについては回避し、
それ以外をザッと振り返ります。
以下隠します。



出演は、モーニング娘。'14から、
譜久村聖鞘師里保鈴木香音石田亜佑美佐藤優樹工藤遥小田さくら
スマイレージから(全員)、
和田彩花福田花音中西香菜竹内朱莉勝田里奈田村芽実
ハロプロ研修生から、
田辺奈菜美加賀楓佐々木莉佳子
総勢16名である。


他の出演者はいない。
つまりプロの劇団員の方によるサポートが一切ない。
最初は大丈夫かなあ、という不安のほうが大きかったのだが、
フタを開けてみたらまったく心配に及ばなかった。
彼女たちはプロのアイドルだった。
つまり、金をとれるパフォーマンスをしっかり魅せる。


女性だけの舞台の中で、
男役に扮した人がふたりだけいた。
くどぅーとかななんである。
良く頑張っていたと思う。


舞台装置は極めてシンプル。
大きな転換などもない。



ストーリーはバンパイヤ(吸血鬼)のお話。
ステーシーズの時はゾンビの話だったが、
共通の世界観を感じるダークファンタジーである。


あっしは、ステーシーズよりもリリウムのほうを高く評価する。
脚本がいいと思う。
謎があり、解明(オチ)があるからだ。
まあ、こういうエンディングには賛否両論あるだろう。
しかし、非常にシニカルで深いテーマを描いていたように思う。


感動はしたが、泣ける舞台ではなかった。
(泣けるという意味では、3月に見た研修生の舞台
「僕たち可憐な少年合唱団」のほうがさわやかな涙を誘う作品だった)
末満ワールドというか、ゴシックホラーの世界観が漂う作品である。
しかも、それをミュージカルでやってしまうという。


演技だけではなく、歌やダンスでも高いレベルが要求されるわけである。
それを演じ切った、彼女たちにただただ圧倒された。



主役級の扱いなのは、
りほりほ、あやちょ、めいめい、くどぅー。


さくらちゃんと、かななんもかなり重要な役である。


あと見せ場が多かったのは、
ベテランかにょんと女優に向いてる?だーいし。


推しのふくちゃんはかにょんの影に隠れて、あまり目立たなかった。


その他は、脇役的なポジションで、
笑いを取ったり、賑やかしに登場したりする。


が、とにかく主役級の人たちの
歌と演技がすごい!
(ダンスは全員で踊る場面が多いので、それも凄い迫力)


さくらちゃんの美しい歌声。
あやちょの儚い美しさ。
りほりほのエースたる存在感。
めいめいの圧倒的演技力。
くどぅーのかっこよさ。


この人たちはアイドルのエリートなんですよ。
ただただ、驚嘆するしかありません。
あやちょ以外はまだ、中三とか高一なんですよ。
信じられません。


しかも、今回の舞台はツアーが終わらないうちから
稽古が始まっていますからね。


くどぅーが後半一か所セリフを噛んだ場面があったくらいで、
そのほかはセリフ回しも完璧に感じられた。
恐るべき子供たちである。



楽曲に関しては、悪くはないものの、
少し弱いという感じもする。


「キマグレ絶望アリガトウ」(ステーシーズ)のような、
一聴して惹きつけられるようなナンバーがなかった。


でも、パフォーマンスが素晴らしかったので、
問題はないかな。


オリジナルサウンドトラックも売ってました。
http://gekipro.com/Gekipro/news/2014/05/-lilium---.html



最後はカーテンコールがなく、
舞台が終わるとすぐ明るくなりアナウンスが流れた。


19時きっかりに始まり、21時に終わるので、
研修生など21時をまたげないメンバーに配慮したものか?


しかし、それにしても余韻に浸る間もなく、
突然追い出されるような形で、興醒めしてしまう。


かといって開演時間を早くしてしまうと、
仕事帰りのサラリーマンが来づらくなってしまうので
悩ましいところだ。


メインは土日公演なので、
平日はギリギリにセッティングしたものかもしれない。


アフタートークショーがあるときは、どうするんだろう?
その時は、年長メンバーだけでカーテンコールするのかな?
(※平日にはアフタートークショーはないようだ)



あらすじを追って説明すると長くなるので省きます。
見ればわかるので。


ただ、特殊な世界観なので、
入り込めない人(SFとかファンタジーが苦手な人)もなかにはいるでしょう。
しかし、アニメや漫画などのサブカルチャーが浸透している日本で、
ごく少数だと思われます。


独自の造語というか、
重要なキーワードがあるので少し紹介します。
(パンプレットを買いそびれてしまったので、
正式な内容とは違うかもしれませんが)

クラン:人里離れた場所で繭期のヴァンプ(吸血鬼)を収容するサナトリウム(療養所)。


繭期(まゆき):人間の思春期に相当する。精神状態が不安定になる。


ダンピール:吸血鬼と人間の混血児。


トランプ:いまは死にゆく存在であるヴァンプにおいて、不死の生命を持つとされる純正な吸血種。


イニシアチブ:吸血鬼が相手を噛むと、その相手を支配しコントロールすることができる。クランでは禁止されている。



永遠に続くかと思われる閉ざされた時間というテーマは、
どことなく「まど☆まぎ」っぽいなと感じた。
魔法少女を吸血鬼に変えた…


しかし、観劇後の印象は、
正編よりも新編の「叛逆の物語」をみたあとの後味の悪さに近い。