ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」@日生劇場

日生劇場なう。
屋根の上のヴァイオリン弾き


こーゆー話だったのか。
市村正親がヴァイオリン弾きってわけじゃあないんだね。


きっかはそれなりに出番がある。


3人の娘(5人姉妹だが下のふたりはまだ幼い)と夫婦の話が主軸。


ラストは少しあっけない感じがした。


本来ならば悲壮感ただようラストだが、
ミュージカルらしい演出に徹底し、難しい理屈を排したところが
ロングランの秘訣なのかも知れない。


以下内容について触れますので隠します。


日生劇場に入るのは初。
内装も瀟洒でとてもいい雰囲気の劇場だった。
客層も女性が圧倒的に多い。


今日はe+会員の借り切り公演ではあったが、
まあ基本的に観劇好きのマダム・小マダムが多いものだろう。


きっかは主人公の牛乳屋テヴィエ(市村)の三女役。


物語の主軸は2つあり、
娘たちの結婚話がひとつ。
もうひとつがユダヤ人排斥運動である。


あらすじ(公式サイトより)
http://www.tohostage.com/yane/index.html

1905年、ロシアのアナテフカという寒村で、テヴィエは酪農業を営む。
信心深くて、楽天家、五人の娘たちを可愛がり、25年連れ添っている妻のゴールデには頭が上がらない。
貧しいながらも幸せな家族であった。


テヴィエは言う。
「アナテフカのユダヤ人は皆、"屋根の上のヴァイオリン弾き"みたいなもんだ。
落っこちて首を折らないよう気をつけながら、愉快で素朴な調べをかきならそうとしている。
どうして、そんな危ない場所に住んでるのかって? それは生まれ故郷だからさ。
どうやって、バランスを取ってるかって? それは・・・、一言でいえば"しきたり"だ!」


上から三人の娘たちの関心事は、結婚。
今日もイエンテが、ツァイテルに縁談を持ってきている。
娘たちは気もそぞろ。
娘たちにとっても、姉さんが早く結婚を決めてくれないと、自分たちに順番が回ってこない。


そんなある日、ツァイテルに金持ちの肉屋・ラザールからの縁談が舞い込むが・・・。


テヴィエは昔ながらのしきたり(ユダヤ教)守り通しているが、
新時代的な思想に感化されつつある娘たちは、
つぎつぎに自分の恋愛を貫き通す。
しきたりを重んじながらも、
最終的には娘たちの選択を許すことになるところが、
迷妄なただの頑固オヤジというわけではなく、
ユーモラスに描かれていてとても好感が持てる。
(しかも恐妻家w)


娘を嫁にやる話というとあっしは小津安二郎を思い出す。
ちょっと背景は違うけれども、
父親の心理という点では共通しているものがある。


後半は、ユダヤ人排斥運動の話も出てくる。
これはロシアの話だが、
ユダヤ人迫害というとナチスドイツのことばかりがクロースアップされるが、
ロシアでも広範にこういうことが行われたこということを知る
よいきっかけになった。
(きっかけはYOU)


テヴィエ一家は(というか村人のほとんどが)、
住んでいた土地を追われることになる。


ラストシーンはテヴィエ一家が荷車ひとつで、
村を出てゆくシーンで終わる。
(シナリオではアメリカへ移住するということになっている)


テヴィエ一家はアメリカで幸せに暮せたのであろうか?


決してハッピーエンドというわけではないのに、
こんなにも長い間、愛されるミュージカルという理由は何であろうか?


たぶんきっとタイトルの勝利だろうな。
屋根の上のヴァイオリン弾き
なんだろう?
内容が気になるタイトルなのだ。
もし「牛乳屋テヴィエ」というタイトルだったら、
ここまでヒットしなかったのではないかと思う。


きっかもがんばっていたが、
とても良かったのは二女役の大塚ちひろさん(現芸名大塚千弘)。
こんなに歌もいいなんて知らなかった。
舞台経験も多そうだからなあ。


あとは4女役(野口遥ちゃん)・5女役(石丸椎菜ちゃん)を中心にww