君の名は。


ハロウィンイベントまっさかりの日曜日、
いくつか行きたいアイドル現場はあったのだが、
行こうと思っていたパティロケの定期が
前売りでソールドアウトという情報を得て予定変更。
(当日券もあったかもしれないが)


来週から、アプガの武道館まで
怒涛の現場参戦が続くので今週は自粛。
で、映画でも見ようと思いました。


くどぅーはじめ、ハロメンも多く絶賛している
現在大ヒット中の映画「君の名は。」を見に行くことにしました。


小田ちゃん好みの「怒り」を見るか悩んだのですが、
今の気分は「君の名は。」でした。


感想は、
素晴らしい映画でした。


まあ、酷評するひとがいるのもわかるようなSF要素は確かにあるのですが、
あえてそこに目をつぶれば、
美しい作画、巧みな演出、
切ないながらも救われるハッピーエンディングには心を洗われます。


以下、ストーリーに触れますので隠します。
(ネタバレに注意してください)



君の名は。」予告



「君の名は」と言えば、菊田一夫のドラマを思い出させるが、
ずいぶん古風な名前をつけたものである。


オープニングから主人公の男女が(夢の中で)入れ替わるという謎設定があって、
まずぐいぐいストーリーに引き込まれる。


男女が入れ替わるというのも、
映画「転校生」(山中恒おれがあいつであいつがおれで」)を想起させるが、
ずっと入れ替わっているわけではなくて、
寝ている間に不定期に入れ替わる。


入れ替わりが、恋愛に発展してゆくだけなら
単なる普通のラブロマンスで終わるところだが、
この作品が単なる恋愛ものではないような展開が、
中盤以降突然訪れる。


ブコメっぽいノリで見ていたら、
まさかのカタストロフ(悲劇)的展開で一気にシリアスになる。


この作品の胆はまさにここでしょうね。
東日本大震災という千年に一度の大災害を経験し、
その後も、幾多の自然災害見舞われた日本人に向けられた、
鎮魂の祈りが込められた作品だとあっしは解釈しました。


まあ、その後の展開が評価が分かれるところだとは思うんですが、
時空を飛び越えてしまうSF設定が受けつけない人には、
全然ダメでしょね。


あっしも、出来ればパラレルワールドで解決するのは
やめてほしいという立場だが、
最近はこの手の作品が多いので、まあ主流なんでしょうね。


これをやってしまうと、夢オチとおんなじで
なにをやってもナンデモアリになってしまうので危険です。


でも、君の名は。の成功の理由はそこではないと思うんですよね。
反則級の大技を掛けておきながら、
日常の描写など丁寧な演出と、美しい自然をとらえた作画が見事。


いろいろ伏線はあり緻密なストーリー展開ではあるんですが、
ラストは単純明快な「すれ違う男女のめぐりあい」と、
わかりやすいハッピーエンディングを指向しているのも受け入れられやすい。
(まあ、パラレルワールド上でのハッピーではあるんだが)



あと、重要なネタばれになりますが、
入れ替わりが空間(長野と東京)を飛び越えて行なわれるだけではなく、
3年のタイムラグを於いて発生していたというトリックが秀逸。
イデアの勝利でしょうね。