わが母の記


新宿ピカデリーなう。
これから映画を見る。






一言でいえば渋い映画だった。
味わい深いけれど、正直よく映画化までこぎつけたなーとも思う。


母との関係を描いた映画かと思いきや、
主人公(役所広司)の3人の娘を中心にした家族の物語でもある。


ということで宮崎あおいちゃんの出番が多いのは嬉しい。


伊豆弁なまりのお手伝いさん役の真野ちゃんは、
「だら」とかくいしんぼキャラが強烈に印象に残るものの、
映画の中ではそんなに重要な役ではない。
いる必然性あった?
まあ、きっと原作に登場する人物なのだろうとは思うが、
チョイ役とはいえ、これだけの名優、女優陣と同じスクリーンで
仕事をしているという事実は特筆に値する。


興行的には「仮面ライダーなでしこ」を演じたことのほうが大きいが、
映画史的にはこういう作品に出た事の価値のほうが高いと思う。


認知症を取り扱った映画はいっぱいあるだろうが、
それだけの映画ではないようだ。
やはり、それには井上靖の生い立ちを知らなければならない。
一連の洪作ものを読んでいたら、
また違った感動があったものと思われる。


ある年代以上の人にとっては、
井上靖の自伝的小説は間違いなく青春の書ですからね。


評価は
☆3.5(5点評価)